こんにちは
前回は、なぜいま素材株が買われているのかという事について解説致しました。
今回は景気循環がコモディティの時代の到来を示唆していることについて解説します。
景気循環がコモディティの時代の到来を示唆している
このチャートは上がS&P500種指数で、下がコモディティ指数になるんですが、過去30年を振り返ると株価とコモディティ価格が逆相関の関係にあることがわかると思います。
例えば、1990年から2000年にかけて米国株が拡大期を迎えた一方で、コモディティ価格は停滞期を迎えました。
そして2000年から2009年にかけて米国株が停滞期を迎えるとコモディティー価格は反対に拡大期を迎えさらに2020年にかけて一転して米国株が拡大期を迎えるとやはりコモディティ価格は反対に停滞期を迎えました。
なぜ株価とコモディティ価格が逆相関の関係にあるのかというと、例えば、コーラの原材料は砂糖であり、コーンフレークの原材料はトウモロコシであるわけですが、この場合企業は砂糖やトウモロコシの価格が値下がりした方が利益率が改善します。
その一方で、砂糖やトウモロコシの価格が値上がりすれば利益率が悪化してしまいます。
このような関係から株式とコモディティは逆相関の関係にあると考えられるんです。
そしてこのトレンドは一度始まると10年弱続く傾向があるので、2030年頃までコモディティ価格は強含む可能性があります。
ただし、今後10年でS&P500種指数が過去最高値を更新できないのかというと、
そういうわけではありません。
株価よりもコモディティ価格の方が上昇率が高くなることが予想されるということです。

このチャートはコモディティ価格指数をS&P500種指数で割った、
「コモディティS&P500レシオ」になります。
このチャートの見方は、指数が上昇すればコモディティよりも株式のパフォーマンスが低く、指数が下落すればコモディティよりも株式のパフォーマンスが高くなることを意味します。
つまり2008年から2020年にかけて、株式は一貫してコモディティよりもパフォーマンスが良い傾向にあったということです。
そして過去を振り返ると、コモディティS&P500レシオには17年周期があり、次のピークは2025年頃が予想されていますから、今後5年かけてコモディティは株式のパフォーマンスを大きく上回ることが予想されるんです。
では具体的にどのような素材株が有望なのかというと、例えば鉄鉱石であれば世界三大資源メジャーの一角、リオティントが挙げられます。
同社の鉄鉱石のシェアは世界第2位で配当利回りはおよそ6%と高配当です。業績は商品市況に大きく左右されるので、減配のリスクはあるものの、足元の鉄鋼価格の上昇を追い風にしばらく増配基調が続くと思います。
また株価も2008年以来およそ12年ぶりの高値水準にあり、引き続き株高基調も続くと思います。そして銅価格の値上がりの恩恵を受けるとみられる銘柄を紹介すると、世界最大の銅山
会社フリーポートマクモランが挙げられます。
>同社は銅とモリブデンで世界第一位でインドネシアのグラスバーク鉱山を柱に、米国と
南米でも生産しています。

株価は50日移動平均線の上で推移しており強気トレンドにありますから、銅価格の上昇を追い風にしばらく株高基調が続くと思います。
加えて株式市場が暴落しつつある今、投資マネーは長期的に見れば安全資産の金に流入することが予想されますから、金鉱株も上昇することが期待できます。
代表的な金鉱株を上げると、カナダのバリックゴールドが挙げられます。
金鉱株はオペレーティングレバレッジという現象が起こることから、今後非常に有望な投資対象になると思います。

今回はここまでです。
次回はオペレーティングレバレッジの解説から紹介いたします。